静岡名物の定番【静岡おでん】駄菓子屋から横丁まで!絶対行きたい名店や特徴・レシピをまとめて紹介!

静岡県の名物グルメとして親しまれる「静岡おでん」。
他の地域のおでんとは異なる独特の味わいとスタイルが特徴で、地元の人々だけでなく訪れる旅行者からも高い評価を受けています。
今回は、そんな静岡おでんの特徴や美味しさのヒミツ、おすすめのお店などをご紹介。静岡おでんの名店が集まる「青葉おでん街」「青葉横丁」や静岡駅周辺の人気店、ランチで味わえるお店、お取り寄せ方法、さらにはお家で作れる静岡おでんのレシピまで、静岡おでんの魅力を深掘りします!
静岡おでんの歴史
静岡おでんの起源は、大正時代までさかのぼります。
戦後の食糧難で、それまで廃棄処分されていた牛すじや豚モツをおでんの具材としたことから始まりました。
また、駿河湾で獲れた新鮮な魚介類を使った練り製品も、当時からおでんの具に使われていたようです。
現在でも、静岡おでんは地元の人々に愛され続け、その伝統と文化を守りながら新たな進化を遂げています。
静岡おでんの特徴とは?
牛すじの旨みがたっぷり”真っ黒なスープ”
静岡おでんの最大の特徴は、何と言っても”真っ黒なスープ”。
濃口醤油を使い、牛すじで出汁をとったスープは、毎日つぎたすことでますます黒くなり、旨味が凝縮されていきます。
見た目ほど味が濃いわけではなく、もう一本、もう一本と手が伸びる、あっさりとした美味しさです。
静岡おでんで欠かせない具材”黒はんぺん”
焼津の名産品で、刺身、煮物、フライと、地元では日々の食事で親しまれている黒はんぺん。サバやイワシなどの魚のすり身から作った練り物で、静岡おでんには欠かせない具材です。
一般的な白いはんぺんとは原料や製法が異なるため、食感ははんぺん独特のふわふわとしたものではなく、かまぼこやさつま揚げに近い引き締まったものとなっています。
そのほか大根や卵といったおでんの定番の具材はもちろんのこと、牛すじやなるとなど、静岡おでん独自の具材も並びます。
駄菓子屋が起源”くし刺し”スタイルが静岡流
元々静岡おでんは、子どもたちが駄菓子屋で買うおやつでした。
おでんに串が刺さっているのは、お店のおばちゃんや子どもたちが、お勘定をわかりやすくするためだったのが始まりだとか。
現在も、ほとんどのお店で昔ながらのくし刺しスタイルで提供しています。
”だし粉”をつけて食べれば風味がアップ!
そのままでも美味しい静岡おでんですが、サバやイワシなどの削り節”だし粉”や青のり、からしをつけて食べれば、風味がアップ。静岡おでんらしい、一味違った美味しさが味わえます。
静岡おでんといったらここ!「青葉おでん街」「青葉横丁」
JR静岡駅から歩いて12~3分の場所にある「青葉おでん街」と「青葉横丁」。静岡おでんを堪能できる名店が集まるスポットです。
戦後、市役所前の青葉公園に約200軒ほどあったおでん屋台が、都市開発などにより移転してきたのが、「青葉おでん街」や「青葉横丁」の始まり。
市役所前の青葉通りを常磐公園に向かって進み、昭和通りをはさんだ手前に「青葉横丁」、向かいの常磐公園側に「青葉おでん街」があります。
どちらも長屋造りになっていて、それぞれ約20店舗のお店が集まります。お店ごとにちょうちんとのれんがかかり、どこもカウンター10席くらいの小さなお店です。
こぢんまりとした狭さが、お店とお客さんとの一体感を醸し出すヒミツ。気さくなおもてなしと温かさに包まれ、常連さんも観光客も自然と会話がはずみます。
冬も夏も一年中おでんが味わえ、営業は夜のみ。おでんはもちろん、お酒に合うおつまみも各店いろいろありますよ。 静岡おでんと一緒にぜひ飲んでほしいのが、焼酎を静岡茶で割った「静岡割り」。お茶処・静岡ならではの、さわやかで濃厚なお茶の味わいが、おでんの味を引き立てます。
初めて入るにはちょっと勇気がいるかもしれませんが、心配御無用。外から店内の様子がわかるので、気になるお店に入ってみましょう。 どこも小さいお店のため、すぐに満席になってしまうことも多いですが、お客さん同士で席を詰めたり譲り合ったりする光景もよく見られます。
一人でも入りやすく、一見さんも温かく迎えてくれる、そんなアットホームさも、おでん街と横丁の醍醐味です。
17時頃からオープンするお店が多いので、混雑する前の早めの来店がおすすめ。せっかく静岡を訪れたなら、風情あるディープな体験を楽しんでくださいね。
青葉おでん街
緑色の電飾パネルと赤ちょうちんに照らされたカラフルな花飾り。昭和ノスタルジック度200%の入り口からもうワクワクしますね!
一歩足を踏み入れると、昔ながらのおでん屋さんが両側にずらりと並び、タイムスリップ気分満点。ちょっと魅惑的な絵になる景観が奥まで続きます。
▼青葉おでん街のおすすめ店はこちら
青葉横丁
「青葉横丁」の赤い看板と各店舗の緑色の看板が目印。青葉おでん街と比べると、ややしっとりとしていて静か。屋台時代の歴史を感じるレトロなムードが漂います。
▼青葉横丁のおすすめ店はこちら
青葉おでん街も青葉横丁も、どちらも昭和の面影が残り、静岡おでんの歴史と文化を満喫できます。おでんの温かさと人情味あふれる雰囲気が、心と体にホッとしみわたります。
各店舗が独自の出汁と具材を用いたおでんは、それぞれに個性があります。青葉おでん街と青葉横丁のお店をはしごして、あれこれ食べ比べてみるのも楽しいですよ。
美味しいお店はここ!静岡市内で人気のおすすめ店をピックアップ
昔ながらの駄菓子屋や歴史ある居酒屋、テイクアウトで気軽に買えるお店など、静岡市内でおすすめのおでん店をご紹介します。
駅前・駅近のお店
JR静岡駅や静岡鉄道新静岡駅から徒歩圏内、観光や仕事帰りに立ち寄れる、アクセス便利なお店。
海ぼうず【ランチ・テイクアウトOK】
▲写真は海ぼうずアスティ店
JR静岡駅周辺に、本店・アスティ店と2店舗を構えるのが、静岡おでんの人気店「海ぼうず」。
本店は15:00~23:30と遅い時間まで営業しており、アスティ店は11:00〜22:00(土日祝は21:00まで)と、お昼時から訪れることができます。(ランチタイムは14:00まで)
▲出典:ちろこ
黒はんぺんや牛すじといった定番の具のほかにも、きくらげ、フルーツトマトなど、海ぼうずならではのユニークな進化系おでんも。
▲出典:ちろこ
こちらは、おでんフェアで優勝したこともある”進化系”半熟玉子のおでん。とろっとした黄身&汁のコラボが最高です。
▲出典:ちろこ
静岡おでん以外にも、静岡産の食材を使ったメニューや名物グルメが豊富なので、県外から訪れた人を連れて行くと喜ばれること間違いなしのお店です。
駅下のみぜん
▲出典:うーたん
海ぼうずと同じく、静岡駅アスティ東館にある和食居酒屋「駅下のみぜん」でも、名物の静岡おでんをいただくことができます。
▲出典:うーたん
メニューは静岡おでんを始め、鮮魚や地酒など、静岡を感じるメニューが豊富です。
▲出典:うーたん
色味からして、出汁がしみっしみなのが分かります。
見た目は真っ黒ですが、色味ほど味は濃くなくて、出汁がしっかり感じられるあっさり味。これは何個でも食べられそう!おでんと一緒にお酒も進みます。
大衆酒場 多可能(たかの)
大正12年創業、創業100年を超える老舗の居酒屋。JR静岡駅北口からほど近い場所で、一家4代に渡ってのれんを守り続けています。
カウンターにかけられた手書きのメニュー札が風情たっぷり! 昭和レトロで飾らない雰囲気の店内は、カウンター、テーブル、座敷などがあり、いつもほぼ満席。予約は必須です。 何十年も通う常連さんから一人旅の女性まで、さまざまなお客さんで賑わっています。
おでんの提供は10月~4月いっぱい。カウンター内で店主がお皿に盛ってくれます。牛すじ、大根、玉子、こんにゃく、じゃがいも、練り物など15種類ほどそろい、1本から注文できます。
そのほか、刺身や串焼き、揚げ物といった定番メニューが60種類ほど。おでんとあわせて、名物「ながらみ」や黒はんぺんフライを肴に、静岡の地酒「萩錦」を熱燗でどうぞ。
住所:静岡県静岡市葵区紺屋町5-4
営業時間:16:30〜22:00(L.O.21:30)
定休日:日曜、祝日(その他臨時休、GW・年末年始等休業あり)
※20歳未満の方は入店できません
※おでん提供期間 10月~4月
歴史ある名店
地元で長く愛され続ける老舗。歴史と技がしみた名店の味を堪能しましょう。
静岡おでん おがわ【ランチ・テイクアウトOK】
▲出典:うーたん
趣のある外観から昭和23年創業の老舗感がプンプン漂うのが、浅間通り商店街の「おがわ」。静岡おでんの名店としてテレビ番組にも度々登場する名店です。
▲出典:うーたん
創業以来ずっとつぎたして使っている伝統の味、「おがわ」の黒い出汁。
牛すじから取り、醤油で味付けした出汁は、ほんのり甘みを感じます。
添加物や砂糖は一切入れず、お醤油と具材から出るうま味のみでこの味を作っているのだとか。甘みは練り物から出る甘さなんだそう。
おでん種は17種類ほどあり、焼津特産の黒はんぺんをはじめ、地元の練り製品を使用しています。
▲出典:うーたん
さらにこのご時世にありがたいことに、おでんメニューのほとんどが1本100円!小学生がおこづかいで買える良心価格です。
昔から続く静岡おでんの文化”駄菓子屋”のルーツを守るべく、お店も尽力されているのですね。
大やきいも【ランチ・テイクアウトOK】
明治時代に創業し100年以上の歴史がある「大やきいも」は、常連客から観光客まで、多くの人で賑わう名店。昔懐かしい駄菓子屋のような雰囲気にほっこりしながら、おでんやおにぎり、やきいも、大学いもなどが味わえます。
おでんを始めてから約80年つぎたしているという出汁は、牛肉と昆布をベースに、練り物の旨みが溶け出した奥深い味わい。1本から注文OKで、お持ち帰りもできます。
「大やきいも」のおでんには大根がありません。代々続く出汁の味を守るための大切なこだわりなのだそう。
魚のすり身を油揚げで巻いた「しのだ巻き」、もっちり食感の「白焼き」、出汁がたっぷり染み込んだホクホクの「じゃがいも」などがおすすめ。
10月~6月はやきいも、夏はかき氷が楽しめます。専用の大きな釜でじっくり仕上げるやきいもは、表面はこんがり、中はしっとりとしたやわらかさ。ぜひ、おでんと一緒に味わってみてください。
住所:静岡県静岡市葵区東草深町5-12
営業時間:10:30〜16:30
定休日:月・火曜(不定休あり)
味の店 乃だや
JR静岡駅北口から徒歩約15分、七間町にある「味の店 乃だや」は、創業から80年以上、地元に愛され続ける居酒屋です。
「静岡おでん」と「関東おでん」、2種類のおでんが楽しめるのが魅力。 創業当時からつぎたしで守り続けている出汁で煮込んだ「静岡おでん(味噌おでん)」。汁は真っ黒なのに味は濃くなく、甘く味付けされた味噌をつけて食べるとよりおいしく味わえます。
透き通った出汁と一緒に食べる「関東おでん」は、大きめの大根をはじめ、和風ロールキャベツや自家製の練製品などと相性抜群。どちらも手間ひまかけたこだわりのおでんです。
そのほか、静岡の新鮮な魚介類や野菜をメインに使用した、一品料理なども好評。地酒とともに、静岡の食文化を余すことなく楽しめるお店です。
住所:静岡県静岡市葵区七間町16-10
営業時間:17:00~22:30(L.O.22:00)、金・土曜は17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:水曜(隔週で火曜)
くふうロコしずおか 施設情報 味の店 乃だや
味の店 乃だや 公式ページ
あさひ【テイクアウトOK】
▲写真提供:あさひ
昭和15年に青葉通りでおでん屋台として始まり、今は静岡浅間神社の近く、西草深公園そばの路地裏に店を構える居酒屋。夕方には常連さんが集まる人気店のため、予約がベター。
▲写真提供:あさひ
創業以来つぎたす出汁が、たっぷり染み込んだおでん。ぶ厚い大根をはじめ、黒はんぺん、牛すじ、玉子、こんぶ、ごぼう巻きなど、1本から注文できます。
▲写真提供:あさひ
はずせないのは、もうひとつの名物「味噌田楽」。濃厚なコクと甘みの奥深い味わいにファン多数!
ニンニクダレたっぷりの串焼きも大人気。そのほか、フライや唐揚げ、おにぎりなど、どれを頼んでも、味・ボリュームともに大満足の庶民派居酒屋です。
コスパ◎のお店
ちょっと小腹が空いたときに気負わず立ち寄れて、おでん1本から楽しめるお店。観光途中や時間のないときにもおすすめ。
天神屋【ランチ・テイクアウトOK】
▲写真は天神屋曲金店
静岡県内に30店舗以上展開する大人気お弁当チェーン「天神屋」。そんな天神屋自慢のメニューが、おむすびと静岡おでんです。
▲写真は天神屋曲金店
昭和29年の創業当時から70年余、今日に至るまで昔ながらの静岡おでんスタイルを貫いてきました。
天神屋のおでんのつゆの特徴は、牛すじの旨味、練り製品の甘み、昆布の出汁。さらに25種類ものおでん種を煮込むことにより、複雑な味わいと旨味がつゆに凝縮していることが美味しさの秘訣です。
▲出典:きむち
パルシェ店には飲食スペースはなく持ち帰りのみとなりますが、駅ビルの中にあるため、出張や観光のついでにサクッと寄って購入することができます。
▲出典:きむち
天神屋オリジナルのおでん種「富士の白雪」は、モチモチ食感の皮の中にジューシーな肉団子餡が入っていて小籠包のような味わい。天神屋を訪れたら必ず買いたい逸品です。
▶︎お弁当やおむすびも絶品!静岡県民熱愛『天神屋』曲金店の取材レポはこちら
おでんや おばちゃん【ランチ・テイクアウトOK】
▲出典:うーたん
駿府城公園内にある「おでんや おばちゃん」は、昼間から静岡おでんとビールが楽しめるお店。
駄菓子屋も併設していて、子どもから大人まで幅広いお客さんで賑わっています。
▲出典:うーたん
真っ黒のスープに浸かった具材は味が濃いかと思いきや、意外とあっさりで食べやすい!10本以上のおでんもあっという間にペロリとたいらげてしまいました。
▲出典:うーたん
店内にイートインスペースはありますが、お天気が良い日には駿府城公園のベンチでピクニックスタイルでいただくこともできます。テイクアウトにも対応してくれますよ。
毎年冬に開催される『静岡おでん祭』とは?
2014年より始まった、日本最大級のおでんの祭典「静岡おでん祭(2018年までは『静岡おでんフェア』)」。2025年は2月28日〜3月2日の3日間開催されました。
会場は、かつて200軒の屋台が並んでいた静岡おでんの聖地「青葉シンボルロード」。静岡県内外から、50以上の店舗が集結します。静岡おでん好きなら、絶対に訪れたいイベントです。
▶︎『静岡おでん祭2024』参加レポはこちら
静岡市外でおでんを食べるには?
サービスエリア
新東名高速道路 駿河湾沼津・静岡・掛川・浜松のサービスエリアでは、「天神屋」の静岡おでんが味わえます。
「天神屋」は静岡県東部エリアにも店舗があり、公式サイトで店舗検索ができます。
・天神屋店舗一覧
通販
名店の味をお取り寄せすることも可能です。
自宅で作る静岡おでんのレシピ
農林水産省の「うちの郷土料理」に、次世代に伝えたい大切な味として紹介されている「静岡おでん」。
お家で静岡おでんを作ってみたい!という方はぜひ、以下のサイトのレシピを参考にしてみてください。
ご家庭にある材料だけで、美味しい静岡おでんを作ることができますよ。
▶︎出典:農林水産省「うちの郷土料理」
▶︎出典:静岡市学校給食のレシピ「静岡おでん」
静岡おでんは唯一無二のご当地グルメ!
全国各地には多種多様ななおでんがありますが、静岡おでんはその歴史や特徴から見ても、唯一無二のご当地グルメと言えます。
静岡を訪れたらぜひ、本場の味を味わってくださいね。
※この記事は2025年3月時点の情報を基に作成しています。
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