仙台名所【瑞鳳殿】の魅力・御朱印・周辺グルメを仙台市民が全網羅!「羽生結弦ファンの聖地」「マツコ絶賛の名店」修復完了

こんにちは、「くふうロコ仙台」編集部です。
仙台の名所「瑞鳳殿(ずいほうでん)」は、仙台藩祖・伊達政宗公の御霊(みたま)を祀るために建てられた霊廟です。
近年はフィギュアスケーターの羽生結弦さんの衣装をモチーフにした、七夕の吹き流しを展示したことから、フィギュアスケートのファンが『聖地』として訪れる人気スポットになっています。
2023年にはクラウドファンディングを利用した黒漆の総塗り直しや政宗公御木像の修復などが行われ、瑞鳳殿本殿が本来の壮麗な姿を取り戻しました。
今回は、瑞鳳殿の歴史や見どころについて、詳しくお伝えしていきます!
仙台名所「瑞鳳殿(ずいほうでん)」ってどんなところ?
「瑞鳳殿」は、仙台市青葉区霊屋下(おたまやした)の経ヶ峯(きょうがみね)公園にあります。
参道を登った先には、初代仙台藩主・伊達政宗公の霊廟である「瑞鳳殿」をはじめ、二代藩主・伊達忠宗公を祀る「感仙殿」、三代藩主・伊達忠宗公を祀る「善応殿」が。
また、戊辰戦争や函館戦争で仙台藩のために戦った、仙台藩士や民間人らを弔う「弔魂碑」などの慰霊施設が並んでおり、公園一帯が「経ヶ峯伊達家墓所」として、仙台市指定の史跡になっています。
江戸時代初期に建造された「瑞鳳殿」は、桃山文化の建築様式を今に伝える文化財として国宝に指定されていましたが、1945年の仙台空襲によって焼失してしまいました。
しかし、樹木は焼失や戦後の伐採を免れたため、仙台市が経ヶ峯一帯の保存を決定。
買収や寄付などによって、伊達家から瑞鳳殿の所有権を取得しました。
伊達政宗公の生誕400周年を迎えた1970年代から瑞鳳殿の再建が始まり、1985年までに瑞鳳殿、感仙殿、善応殿が、焼失前の様式で復元されました。
「瑞鳳殿」6つの見どころ、徹底解説!
近年は、外国人観光客からの人気も高く、年間約16万人が訪れる瑞鳳殿。
ここからは、瑞鳳殿の見どころを紹介していきます。
62段の参道
こちらは、伊達藩の石高である62万石を表したと伝えられている、62段の参道です。
遠くに見える入口までたどりつけるか不安になりますが、はりきって登ってみます!
見どころ①「瑞鳳殿(ずいほうでん)」
参道を登りきると、御朱印や記念グッズを販売しているショップの隣に受付があるので、こちらで観覧チケットを購入します。
拝観料は一般・大学生が570円、高校生が410円、小・中学生が210円です。
チケットを受け取り、手水舎で手を清めてから少し先へ進むと、巨大な門が見えてきます。
瑞鳳殿涅槃門
こちらが、瑞鳳殿の入口である涅槃門(ねはんもん)です。
樹齢数百年の青森ヒバが使われており、焼失前と同じ、豪華な飾り彫刻が復元されています。
瑞鳳殿拝殿
涅槃門をくぐると、拝殿が見えてきます。
瑞鳳殿は、本殿、拝殿、御供所(ごくしょ)、涅槃門(ねはんもん)で構成。
豪華絢爛な桃山様式の廟建築として、1931年に国宝に指定されましたが、1945年に戦災により焼失。
現在の建物は、焼失前の瑞鳳殿をもとに1979年に再建されたものです。
以前は涅槃門と拝殿と唐門(からもん)を結ぶ渡り廊下がありましたが、現在は省略されています。
瑞鳳殿本殿と唐門
拝殿を抜けた先に、唐門と、仙台藩祖・伊達政宗公(1567-1636)の御霊屋である瑞鳳殿の本殿があります。
生前の政宗公が、ホトトギスの初音を聴きに経ヶ峯を訪れた際に、「自分が死んだときは経ヶ峯に埋葬してほしい」と家臣たちに遺言していたことから、政宗公が逝去した翌年の1637年に、二代藩主・伊達忠宗公によって造営されました。
霊廟の中には、政宗公の生前の姿を模した御木像(おんもくぞう)が鎮座しており、地下3mのところにある墓室に政宗公が埋葬されています。
瑞鳳殿、感仙殿、善応殿の再建に先立って行われた発掘調査では、それぞれの墓室から完全な遺骨と、刀などの武具や文具類などの副葬品が出土しており、副葬品は仙台市博物館に展示されています。
戦争で以前の建物が失われたのは残念ですが、政宗公の遺骨や遺品が無事に残っていたと聞くと、ほっとしますね。
竜頭彫刻瓦
1979年に現代の工法で再建された瑞鳳殿は、唐門をはじめ、竜頭彫刻瓦と本殿隅柱を飾る獅子頭の彫刻が省略されましたが、2001年の大改修工事で、竜頭彫刻瓦8体と獅子頭8体が新たに復元されました。
さらに、2023年にはクラウドファンディングを活用して、瑞鳳殿本殿や政宗公御木像の修繕を行い、本来の瑞鳳殿の姿が見られるようになりました。
瑞鳳殿本殿
本殿の入口には伊達家の家紋である「竹に雀」の装飾があり、周囲には天女や鳳凰などが歌い踊る様子を表した彫刻も施されています。
墓所というより、宮殿といわれても信じてしまいそうな豪華さです。
瑞鳳殿は着工から1年ほどで完成したと言われていますが、それだけ多くの人手や資金を投じられるほど、当時の伊達家は力を持っていたようです。
やはり62万石は伊達じゃない!いやむしろ伊達です!
本殿の両脇には、政宗公が亡くなった際に殉死した家臣15名と、家臣の部下である陪臣5名の供養塔である「宝篋印塔(ほうぎょういんとう)」があります。
江戸時代初期までは、主君の後を追って自ら命を断つ殉死の習慣が残っていたそうです。
御供所(資料館)と臥竜梅
資料館となっている御供所(ごくしょ)の前には、文禄の役(朝鮮出兵)で政宗公が持ち帰ったといわれる「臥竜梅」が植えられており、3月頃に見事な梅の花が咲くことで知られています。
奉納石灯籠 片倉小十郎(重長)
ほかにも、片倉小十郎をはじめとした重臣たちが奉納した石灯篭も展示されており、歴史的な価値のある、仙台市内屈指の遺跡といわれています。
見どころ②「感仙殿(かんせんでん)」
瑞鳳殿から戊辰戦争弔魂碑のあるエリアを通って、石段を登った先に、感仙殿・善応殿のエリアがあります。
移動のたびに石段を登り続けているような気がしますが、登るのはここがラストです!
感仙殿本殿
「感仙殿」は、仙台藩の二代藩主である伊達忠宗公(1599-1658)の御霊屋です。
瑞鳳殿と同様に本殿、唐門、拝殿、御供所、廟門などで構成されていましたが、明治初頭に廃仏毀釈の影響を受け、本殿以外は取り払われています。
1931年には、江戸初期の優れた廟建築として瑞鳳殿とともに国宝に指定されたものの戦災で焼失し、1985年に再建されました。
こちらにも伊達家の家紋である「竹に雀」や天女、鳳凰の彫刻がありますが、瑞鳳殿と比べると、装飾が少し控えめな印象です。
宝篋印塔
感仙殿の両脇には、忠宗公が亡くなった際に殉死した家臣たちの供養塔があります。
再建前に実施された発掘調査では、糸巻太刀、打刀、脇差、具足などが発見され、現在は瑞鳳殿資料館に展示されています。
見どころ③「善応殿(ぜんのうでん)」
善応殿本殿
「善応殿」は、三代藩主・伊達綱宗公(1640-1711)の御霊屋です。
感仙殿と同様に、明治初頭に本殿以外の唐門、拝殿、廟門などが取り払われていますが、創建当初は瑞鳳殿、感仙殿よりも簡素な装飾で落ち着いた風情の御霊屋であったといわれています。
本殿も戦災により焼失してしまいましたが、以前の姿を伝える資料が乏しかったため、再建にあたって、綱宗公が好んで描いた「鳳凰」と「牡丹」が装飾に採用されました。
綱宗公は芸術家としても有名で、書道や北日本の風景を描いた水墨画などの作品が、今も高い評価を受けています。
無縫塔
綱宗公が亡くなった当時は、殉死の禁令が発布されていたため、家臣が出家して菩提を弔う「擬殉(ぎじゅん)」が行われました。
善応殿の左前には、擬殉者として出家した熊谷斎直清の墓である「無縫塔」があります。
見どころ④「弔魂碑」
戊辰戦争 弔魂碑
瑞鳳殿と感仙殿・善応殿の中間に位置する「弔魂碑」は、明治元年(1868)の戊辰戦争、明治2年(1869)の函館戦争で亡くなった仙台藩士や旧幕臣・米沢藩の仙台応援隊士、および民間人の霊を弔うために、14代当主・伊達宗基と旧仙台藩士が出資して建立された石碑です。
当時の仙台藩は「奥羽越列藩同盟」結成の中心的な役割を果たし、幕府軍の側に立って戦いました。
見どころ⑤スケート靴の敷石
弔魂碑の前から感仙殿・善応殿へと向かう石畳の中に、スケート靴の形をした敷石があります。
言われてみると、四角いマンホールの枠の部分がスケートのエッジのようにも見えますね。
瑞鳳殿では、以前からフィギュアスケートの羽生結弦選手をイメージした七夕飾りを展示していたことから、ファンが発見して話題になりました。
編集部が来館した日も、たくさんの人が敷石の写真を撮影していました。
敷石の近くには案内板が掲示されているので、すぐに見つけることができますよ。
見どころ⑥「妙雲界廟」・「御子様御廟」
妙雲界廟
御子様御廟
瑞鳳殿には、9代藩主・周宗、11代藩主・斉義とその夫人・芝姫の墓が置かれる「妙雲界廟」や、5代藩主・吉村以降の公子公女の墓所である「御子様御廟」も置かれています。
「瑞鳳殿」観光の所要時間は?
今回、解説文などを読みながら各施設を回ったところ、すべて見終わるのに60分ほどかかりました。
資料館には、再建前の発掘調査で見つかった貴重な資料や、政宗公の復顔像、御開帳の日にしか見られない御木像の模型なども展示されているので、じっくりと観覧していくのがおすすめです!
「瑞鳳殿」おすすめのイベント・シーズン
瑞鳳殿は、新緑や紅葉など四季折々の姿が楽しめる場所です。
ここからは、特に写真映えする、おすすめの時期を紹介します。
七夕ナイト(8月6〜8日)にはライトアップイベントを開催
仙台七夕まつりが開かれる8月6日・7日・8日の夜に、瑞鳳殿では「幻想灯夜 瑞鳳殿七夕ナイト」と題して、ライトアップイベントが開催されます。
2024年の「瑞鳳殿七夕ナイト」では、涅槃門前に伝統七夕飾りが展示されたほか、境内全体が竹灯篭やライトアップで幻想的な雰囲気に包まれました。
日中には「夏の瑞鳳殿御開帳」も実施されます。
普段はなかなかお目にかかれない、伊達政宗公の御木像を観覧できるチャンスです♪
紅葉シーズン(11月頃)には「紅葉めぐり」
11月頃には「瑞鳳殿秋の紅葉めぐり」が開催されます。
2023年の紅葉めぐりでは、和傘や灯篭の展示、映像によるインスタレーション体験が楽しめました。
日中も境内では色鮮やかな紅葉が見られるので、朱色に染まった瑞鳳殿の素敵な写真を撮ることができますよ。
瑞鳳殿の「御朱印」は書き置き式
瑞鳳殿の御朱印は、参道を登ったところにあるショップで配布しています。
御朱印は書き置き式で、伊達政宗公の辞世の和歌「曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照してぞ行く」が綴られています。
初穂料は200円です。
窓口で初穂料を支払うと御朱印が配布されるので、隣のテーブルで日付のスタンプを押します。
失敗しそうで不安な方は、練習用の紙が置いてあるので、一度押して感覚を確かめるとよいでしょう。
「秋の御開帳」期間でのみ配布される、秋季特別御朱印もあります。
毎年10月上旬から中旬にかけて実施されるので、詳細を知りたい方は、瑞鳳殿公式サイトやInstagramの最新情報をチェックしてみてくださいね。
瑞鳳殿へのアクセス
瑞鳳殿へのアクセスには、るーぷる仙台、路線バス、地下鉄、タクシー、自家用車が利用できます。
ここからは、各交通手段の利用方法を紹介していきます。
仙台市観光シティループバス「るーぷる仙台」
仙台駅前西口バスターミナルの16番のりばから乗車(約13分)、「瑞鳳殿前」バス停で下車してから徒歩約7分。
るーぷる仙台1日乗車券を利用した場合は、団体料金と同じ割引が適用されるのでお得です♪
路線バス
仙台駅西口バスターミナルの11番のりば(仙台市営バス)、または12番のりば(宮城交通バス)から「霊屋橋経由/八木山動物公園駅行き」などに乗車(約15分)
→「霊屋橋・瑞鳳殿入口」バス停で下車してから徒歩約10分。
地下鉄
地下鉄東西線仙台駅「八木山動物公園駅行き」に乗車(約4分)
→「大町西公園駅」で降り「西1出口」から徒歩15~20分。
タクシー
仙台駅西口タクシープールで乗車(約10~15分)
→瑞鳳殿参道入口前乗降場で降りてから徒歩約2分。
車でのアクセスと駐車場情報
自家用車で来館した際は、無料の専用駐車場が利用できます。
編集部が訪れたのは平日でしたが、11:00の時点で第一駐車場(約30台分)が満車で、数台の待機車両が発生していました。
この日は第二駐車場(約20台分)が空いていましたが、休日やイベント開催時には混雑が予想されるので、るーぷる仙台や路線バスなど、公共交通機関の利用がおすすめです。
住所:宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2
電話番号:022-262-6250
営業時間:
【2/1~11/30】9:00~16:50(最終入館時間16:30)
【12/1~1/31】9:00~16:20(最終入館時間16:00)
定休日:年末年始(1月1日は瑞鳳殿のみ開館)
入場料:一般・大学生 570円、高校生 410円、小・中学生 210円
※20人以上、または50人以上の団体料金あり
瑞鳳殿公式サイト
「瑞鳳殿」周辺のおすすめランチスポット
鹿落堂(ししおちどう)
photo by 仙台カフェぐらむ
仙台藩の藩祖伊達政宗公を祀る「瑞鳳殿」の近くにあるそば屋「鹿落堂」です。
地元産のそばの実を、安山岩の石臼で挽きぐるみした十割そばと、外皮を取り除いた丸抜き十割そばを使用しています。
テレビ番組『マツコの知らない世界』で紹介されたこともある、知る人ぞ知る名店です。
窓からは仙台の街並みを一望できるので、素晴らしい景色と食事を堪能することができますよ。
お店の入り口付近には、日本各地の職人や手工業者が心を込めて作った日用品が並んでいます。
仙台在住歴は13年の「くふうロコ仙台」公式ライターの仙台カフェグラムさんによる「行ってみた」レポートはこちらです。
⇒マツコさん感動!瑞鳳殿近くのランチなら【鹿落堂(ししおちどう)】蕎麦も景色もスイーツも!?何もかも最高すぎる"名店中の名店"
長町ラーメン本店
出典:@akemiramendさん
市営地下鉄愛宕橋駅から、愛宕橋を渡って大年寺山方面に進んだところにある「長町ラーメン本店」。
地元テレビ局やグルメ情報誌の取材で取り上げられることも多い人気店です。
目玉メニューは、煮卵入りの長町ラーメン(税込880円)。
ランチタイムには、肉めしやメンマ丼がお得な値段で食べられるセットメニューもあります。
「瑞鳳殿」周辺の観光スポット
瑞鳳寺(ずいほうじ)
こちらは、瑞鳳殿のお隣りにある瑞鳳寺。
藩祖伊達政宗公の菩提寺として、2代藩主の忠宗公によって建立された寺院です。
奥には三藩主である政宗公、忠宗公、綱宗光の御位牌安置所があり、拝観料100円でお参りすることができます。
梵鐘は、寛永14年に忠宗公が寄進したもので、宮城県指定の文化財になっているとのこと。
仙台城跡
瑞鳳殿から少し西へ向かったところに、伊達政宗公の騎馬像でおなじみの仙台城跡があります。
現在は、石垣と再建された脇櫓があるのみですが、青葉城資料展示館ではコンピューターグラフィックスで再現した青葉城復元映像などを見ることができます。
近くには、政宗公の副葬品が展示されている仙台市博物館もあります。
仙台市観光シティループバス「るーぷる仙台」を利用する場合は、瑞鳳殿の次に「博物館・国際センター・緑彩館前」、その次に「仙台城跡」に停車するので、あわせて観光するときに便利です。
住所:宮城県仙台市青葉区川内1
アクセス:
観光シティループバス「るーぷる仙台」で瑞鳳殿から約13分
市営バス「仙台城跡南」停留所から徒歩4分
地下鉄「国際センター駅」から本丸まで徒歩約20分
営業時間:常時開放(公園部分)
仙台市公式サイト
大年寺山公園(無尽灯廟・野草園)
瑞鳳殿の南東には大年寺山公園があります。
大年寺山には、仙台藩4代藩主・伊達綱村が建立した大年寺に由来する伊達家墓所「無尽灯廟(むじんとうびょう)」があり、4代綱村、5代吉村、10代斉宗、12代斉邦と、それぞれの夫人たちが葬られています。
一般公開される期間は、3月20日から11月30日までの毎週土曜日、日曜日および祝日のみです。
また、大年寺山公園内には、仙台市野草園があり、貴重な野生植物が保護・展示されています。
春には新緑が芽吹き、夏には豊かな緑が広がり、秋には紅葉、冬には雪景色と、訪れるたびに異なる顔を見せてくれますよ。
かなり傾斜がきつい山の上にあるため、来訪する際は車や野草園前行きの市営バスを利用するとよいでしょう。
住所:城県仙台市太白区茂ケ崎1丁目5
アクセス:瑞鳳殿から車で10分
電話番号:022-247-1111(太白区役所公園課)
営業時間:【3/20~11/30】9:30~15:30 ※土日祝のみ
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※この記事は2024年8月時点での情報を基に作成しています。
※施設・店舗情報は公式サイトおよびGoogleマップの情報を基に作成しています。
