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こんにちは、くふうロコしずおか編集部です。

いよいよ、朝ドラ『風、薫る』が始まりました。 今回は主人公が二人で、そのうちの一人が静岡出身なのです。 その主人公を知っていただきたい!と書籍とその生涯を紹介します。 最後には、著者から「くふうロコしずおか」ユーザーに向けたコメントもいただきました。

朝ドラ『風、薫る』で話題!「もう一人の主人公」鈴木雅は静岡出身

2026年3月30日からスタートするNHK連続テレビ小説『風、薫る』。明治という激動の時代に「看護」の道を切り拓いた二人の女性の物語です。

メイン主人公の一ノ瀬りん(実在モデル:大関和/俳優:見上愛)とともに、物語の鍵を握る「もう一人の主人公」が、大谷直美(実在モデル:鈴木雅/俳優:上坂樹里)。彼女たちの実話をもとに作られています。

今回の朝ドラは、女性2名のダブル主人公という珍しい展開。それぞれの性格や行動の違いが鮮明で、視聴者が自分を投影しやすい構図だと思いました。

その一人、鈴木雅は静岡県の出身で、老後は沼津で暮らした人物です。そんな雅の生涯を瑞々しく描いたのが『小説 もうひとりのナイチンゲール 鈴木雅の生涯』(伊多波碧 著・潮出版社)。この一冊を元に、彼女の人生を紹介します。

シングルマザーからの再出発と、その行動力に「驚く」

鈴木雅は1857年(安政4年)、現在の静岡県に生まれました。彼女の人生が動き出したのは、若くして夫を亡くしたことがきっかけ。「シングルマザー」として自立して生きていくため、まだ幼い我が子と一緒に暮らすことができない寂しさを抱えながらも、さらに裕福ではない中で、彼女は上京し、「櫻井女学校附属看護養成所」に第1期生として入学するのです!

卒業後、日本初の看護婦職能団体である「慈善看護婦会(後の東京看護婦会)」の結成に尽力し、さらに「派出看護婦会」を設立しました。

当時は、病院へ行けるのは一部の富裕層だけという時代。雅は「誰もが平等に看護を受けられるように」と考え、看護婦を家庭へ派遣する仕組みを整えました。

今の訪問看護のルーツとも言えるこの活動を、明治時代に成し遂げた彼女の行動力には、ただただ驚かされます。資金はどうするのか?人はどうするのか?そういう心配より先に作ってしまい、そこから課題を次々解決していく。

無謀なほどのこれらの行動は、条件が揃った今の時代の私たちは反省させられると同時に、驚きを通り越して「あっぱれ」です。

「調和」を選ぶ雅の生き方に共感

個人的には、メインの主人公(和)が「言いたいことは曲げない」強い個性を持つのに対し、雅は「調和や引き」を重んじるタイプに描かれているように思い、共感を覚えました。

その一方で、彼女の「前へ進む力」は本当にすごい。

女性のゴール?は嫁ぐことだと思われていた時代、何をやっても反対され、同じ女性からも「看護婦」という新しい職業に対して意地悪をされる……。現代の私たちが抱える悩みとは比べものにならないほどの厚い壁を前にしても、彼女は歩みを止めていないんです。

家庭環境や周囲の目を考えれば、学校へ行くこと自体が命がけの挑戦だったはず。そのひたむきに「将来のために何をすべきか」を考えて進む姿に、「今の自分の環境に比べたら、まだ頑張れるかもしれない」と大きな勇気をもらえます。

道半ばの引退と、沼津へ帰る道

雅は、最後には残念な形で看護師を引退することになります。

でも、私はそこに人間感らしい「安心感」を覚えました。

引退後に故郷である沼津に戻り、穏やかな老後を過ごしたこと。そして彼女が積み上げたことが今の時代の看護に生きている。その功績を思えば、当時の彼女が感じた「道半ば」という無念さも、また違う意味を持って見えてきます。

作家・伊多波碧さんの文体に吸い込まれる

この小説は著者の伊多波碧さんの筆致によって、雅や和の感情が実に生き生きと描かれています。文字から明治の沼津に吹いていたであろう「風」が感じられ、夢中になって2時間ほどで読了してしまいました。

今、私たちが当たり前に受けている看護の恩恵。

そのルーツには、静岡から飛び出した一人の女性の勇気がありました。

朝ドラ『風、薫る』を観るときに、この小説を読んで雅の背景を知っているのといないのでは、感動の深さが全く違うと思います。静岡の誇りとして、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

伊多波さんからのコメントいただきました!

『くふうロコ』に、著者の伊多波さんからコメントをいただきました。

「鈴木雅さんの史実はほとんど残っていません。

わかっているのは、帝国大学附属病院で看護婦取締を務めたのち、庶民が在宅看護を受けられるように派出看護婦会を立ち上げた、ということくらいです。

少ない史実から人となりを想像するのは大変でしたが、楽しい時間でもありました。

ナイチンゲールが看護を“天使の奉仕”ではなく専門職として位置づけようとしたように、鈴木雅さんは派出看護婦会を通じて、職業として成立する仕組みを作ろうとしました。

明治時代の女性が、現代の私たちと同じように構造的な観点を持っていたことに驚かされるのと同時に、その聡明さに魅力を感じます。」

著者のコメントも味わいながらぜひドラマに書籍にお楽しみください。

『小説 もうひとりのナイチンゲール 鈴木雅』(伊多波碧 著・潮出版社)

鈴木雅の生涯_カバー_表1.jpg

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