障子紙を張り替える3つの方法とは?初心者でも簡単に障子紙を張るコツ・手順をプロが解説

夏も終わり涼しい時期になると、年末の大掃除のことを考える方もいるでしょう。 自分でするとちょっと大がかりな障子紙の張り替えですが、「新しくてきれいな障子紙で新年を迎えたい!」と、年末の大掃除の時期に障子紙の張り替えをする方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、静岡県、愛知県で人気のホームセンター「ジャンボエンチョー」のDIYアドバイザーの方に、初心者の方でもわかりやすいよう、障子紙の張り替えのコツ・手順など簡単にきれいにできる方法を教えてもらいました。
障子紙の張り替えに適した時期とは?
年末の大掃除の時期に障子紙の張り替えをする方も多いかと思いますが、障子紙の張り替えに適した時期はあるのでしょうか。
障子紙の張り替えに適しているのは、湿度の高い曇りや雨の日。張った後天気が良くなると障子がピンと張り美しく仕上がります。
気分的には新年を新しい障子で迎えたいため、年末の大掃除にする方も多いかもしれませんが、季節としては湿度の高い夏がおすすめです。
夏などの湿度の高い時期には多くの水分を吸収し、紙が伸びた状態となっています。伸びた状態で張り替えをすると、乾燥した時にはシワがなくピシッと美しい仕上がりになります。
障子紙の張り替え方の種類とは?
障子紙を張るといってもさまざまな方法があります。大きく分けると以下の3つです。
●のりで障子紙を張る「のり張り」
●専用両面テープで障子紙を貼る「両面テープ張り」
●アイロンで障子紙を接着する「アイロン張り」
のり張りは、昔からの方法で桟(さん)にのりを付けて張っていきます。シワがない美しい仕上がりになりますが、初心者には少し難しい方法です。
2つ目の両面テープ張りは、障子のフレームや桟に専用の両面テープを貼り障子紙を貼っていく方法です。のり張りと違い、塗りムラやのりがはみ出てしまうこともないので、初心者におすすめです。
3つ目のアイロン張りは、障子紙をアイロンの熱で接着する方法です。のり張りより手軽にできますし、間違えても張り直しが可能です。アイロンを持っている方にはおすすめの方法です。
今回は、ジャンボエンチョーで揃えることができる、必要な材料と道具で障子紙を張る作業を解説します。
障子紙の張り替えに必要な材料と道具
材料
・一本張り障子紙
・プラスチック障子紙
道具
・カッターガイド(どんなサイズの障子にもぴったり合います)
・障子用カッター(刃先が丸いので紙を引きずらず、下地も傷めません)
・はがし剤(のり付けされた障子紙をはがすときに使います)
・障子のり
・障子張り用両面テープ
・霧吹き
・カッター
・スポンジ
・雑巾
古い障子紙をはがしてみよう!
まずは古い障子紙をきれいにはがしていきましょう。
【STEP1】障子を平らな台に置く
障子を取り外し、平らな作業台に置きます。
この時、腰高のテーブルなどを使用すると作業がはかどり身体も楽です。作業台用のテーブルが用意できない場合は、キッチンのダイニングテーブルで代用してもいいかもしれません。
【STEP2】のり張りをしていた古い障子をはがす
障子の桟の部分に「はがし剤」を塗り、しばらくおきましょう。
障子をはがす時には、新しい障子紙を芯にして端から巻き取るときれいにはがれます(ビニールカバーを付けたまま使います)。
【STEP3】桟を掃除する
はがし終えた後の桟に残っている古いのりを、固く絞った「雑巾」で拭き取ります。こびり付いているのりは、割り箸などで軽くこすります。
ここできれいに拭き取ることがポイントです。
のりを使って障子紙を張る方法
【STEP1】桟にのりを付ける
桟の部分に「障子のり」でのりを付けていきます。障子のりの先端は桟に沿って塗りやすい形状になっているので、とても便利です。
桟の交差部分にはのりが付きませんが、障子紙を張っていく途中で、自然にのりが伸びて、しっかりとのり付けされますので安心してください。
【STEP2】新しい障子紙を仮留めする
桟がきれいになり乾いたら、新しい「一本張り障子紙」を当て、曲がりがないことを確かめてから上桟に仮留めします。
【STEP3】障子紙を張っていく
障子紙のロールを転がしながら、上桟から下桟に向けて張っていき、余った部分は適当に切っておきます。
【STEP4】周囲の余分な部分をきれいに切り取る
「カッターガイド」を障子の角にあてがい、桟に合った溝を選びスライドさせながら、「障子用カッター」で周囲の余分な部分を切り取っていきます。
余分な部分を切った時点では少したるんでいることがあります。
カッターガイドには数本の溝が切ってあります。残したい障子の幅に合わせて使用してください。切り口をきれいに仕上げるには、障子用カッターは離さず、カッターガイドをずらしながら切るのがコツです。
【STEP5】障子紙のシワを伸ばす
障子を立て掛け、「霧吹き」で水を吹きかけます。
日陰で乾かすと、ピンと仕上がります!
霧吹きの時は、霧状の水で紙を湿らせるように、全体に軽くかけるのコツです。
両面テープを使って障子紙を張る方法
続いて、両面テープを使った方法を紹介します。
【STEP1】桟の上部に障子用両面テープを貼る
まず、上桟部分に「障子用両面テープ」を2枚貼ります(外側のテープは仮留め用、内側のテープが本留め用です)。
障子用両面テープは、障子接着面と桟接着面の接着力が違うため、はがす際にきれいにはがすことができます。必ず障子用の専用両面テープを使いましょう。
【STEP2】縦桟に障子用両面テープを貼る
次に、すべての縦桟に障子用両面テープを貼っていきます。
【STEP3】障子紙を仮留めする
仮留め用両面テープの上紙をはがし、障子紙を仮留めします。
【STEP4】本留めをする
ズレがないか確認し、本留めをします。確実に接着するよう指でよく押さえましょう。
【STEP5】すべての桟に障子用両面テープを貼る
①縦桟に両面テープを貼り、両面テープの上紙をはがします。
②横桟に両面テープを貼り、両面テープの上紙をはがします。
【STEP6】障子を張る
紙の位置を確認し、障子紙を転がしながら貼り、下桟を適当に切ります。
中央から外側にかけて押さえていき、しっかり接着させます。端の部分は、紙を引っ張りながら固定しましょう。
【STEP7】切り取る
「プラスチック障子紙」の場合は、障子用カッターではなく、一般のカッターで切り取ります。
※切り方については、「のりを使って障子紙を張る方法」の【STEP4】周囲の余分な部分をきれいに切り取るを参照してください。
アイロン障子紙の張り替えに必要な材料と道具
材料
・アイロン障子紙
接着面に高熱で溶けるのりが付いているので、張り・はがしが「アイロン」で簡単に行えます。のりは不要です。
道具
・カッターガイド
・障子用カッター
・はがし剤
・アイロン
・霧吹き
・雑巾
アイロン障子紙を張る方法
【STEP1】新しい障子紙を仮留めする
桟がきれいになり乾いたら、新しい「アイロン障子紙」を当て、曲がりがないことを確かめてから上桟に仮留めします。
温度を「中」に設定したアイロンの先で、2~3か所留めれば十分です。
【STEP2】アイロンで張り付ける
【アイロンの動かし方】
①下桟を張り付ける
アイロン障子紙を引っ張りながら、下桟に沿ってアイロンをかけアイロン障子紙を張り付けます。
②上桟を貼り付ける
上桟も本留めをしておきます。この時、下桟からはみ出たアイロン障子紙を適当に切っておきます。
③左右の桟を張り付ける
障子紙の上下が固定されたら、左右に引っ張りながらアイロンをかけ、四辺をしっかり張り付けます。
④中央を張り付ける
次に桟の中央にアイロンをかけます。この時アイロンで障子紙を破らないように注意しましょう。
⑤桟全体を接着していく
最後に細かな桟に沿って、内側の桟から外側の桟へと順にアイロンをかけ障子紙を張り付けます。
【STEP3】周囲の余分な部分を切り取る
カッターガイドを障子の角にあてがい、スライドさせながら、障子用カッターで周囲の余分な部分を切り取ります。
※切り方については、「のりを使って障子紙を張る方法」の【STEP4】周囲の余分な部分をきれいに切り取るを参照してください。
切り込みを入れたアイロン障子紙は、のりで桟に接着されていますが、アイロンで温めれば簡単に剥がれます。
アイロン障子紙を上手に張るためには下準備が重要です!アイロン障子紙は、桟と接着面積が多いほうがしっかりと貼り付きます。桟の表面に荒れた凸凹がある場合には、アイロン障子紙がしっかりと接着するように、紙やすりなどをかけて表面を滑らかにしておきましょう。
【STEP4】シワを伸ばす
シワやたるみが出た場合には、アイロン障子紙全体に霧吹きで水を吹きかけ、日陰で乾かすとピンと仕上がります。
アイロンの熱によって一時的に障子紙にたるみが出る場合があります。そのため、シワの有無は熱が完全に冷めてから判断しましょう。
「のり張り」「両面テープ張り」「アイロン張り」自分に合った方法で障子の張り替えに挑戦してみよう
いかがでしたでしょうか。自分で障子紙を張り替える方法にも色々あり、それぞれ必要な材料や道具、張り方のコツが違います。
初心者の方も何度も張り替えた経験がある方も、自分に合った方法で障子の張り替えに挑戦してみてください。
監修:株式会社エンチョー/DIYアドバイザー
