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こんにちは!くふうロコしずおか公式ライターの山ちゃんです。

静岡県富士市に、「つけ麺」と「ナポリタン」の意外な組み合わせが織りなすご当地グルメ「富士つけナポリタン」があるのをご存じですか?

今回は、その富士つけナポリタン発祥の地である老舗喫茶店「CoffeeShopアドニス」に行ってきました。 店主の熱い想いが込められた、唯一無二のつけナポリタンの魅力をご紹介します!

富士市のご当地グルメ「富士つけナポリタン」とは?

「富士つけナポリタン」は、富士市の吉原地区にある「吉原商店街」を中心に提供されている富士市のご当地グルメ。誕生してから17年、今や揺るぎない存在となり、人気を誇っています。

そんなご当地グルメ富士つけナポリタンは、『秘密のケンミンSHOW極(2024年9月12日放送)』で紹介されたことでも話題に。

現在、富士つけナポリタンを提供するお店は、富士市に10店舗。東京、名古屋にも1店舗ずつあります。

富士つけナポリタンの定義

富士つけナポリタンとは、「麺をスープにつけて食べるナポリタン」。 トマトソースをベースとしたスープに、もちもちの麺を「つけ麺」スタイルで提供するのが基本です。

スープはトマトベースにお店独自のスープ(鶏ガラ、ブイヨン 等々)を掛け合わせたダブルスープ。麺はもちもちのオリジナル極太麺のほか、パスタ、中華麺など、お店によって独自のアレンジや自由度があるのが特徴だそうです。

富士つけナポリタン発祥の地「CoffeeShopアドニス」とは?

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CoffeeShopアドニスさんは吉原商店街にある老舗の喫茶店で、2025年現在なんと創業80年になるそうです。節目の年に念願叶って訪問でき、本当に嬉しいです。創業80年おめでとうございます!

そんなアドニスさんは、富士つけナポリタン発祥の店として有名です。

富士つけナポリタンというメニューは、2008年にテレビ東京の番組企画「チャンピオンズ~達人のワザが世界を救う~」において、東京の有名つけ麺店「めん徳二代目つじ田」の店主である辻田氏とアドニス店主市川氏により開発されました。

昭和レトロな雰囲気

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こちらがアドニスさんの店先です。近年、あまり見かけなくなったタバコ売り場とショーウィンドーがあります。昭和世代にとっては懐かしく、平成・令和世代には新しい、レトロな雰囲気を楽しめます。

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そして、赤くて丸いフォルムのかわいいお友達もお出迎え。 この子は『ナポリン』といって、富士つけナポリタンのマスコットキャラクターです。 トマトの妖精なんですって!

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中に入ってみると、私が想像していたよりも広くて驚きました。

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壁には有名人のサインがたくさんありました。多くの方が取材に押しよせた人気店の証です。

CoffeeShopアドニスの営業時間・アクセスは?駐車場はある?

アドニスへのアクセス

アドニスさんは、東西に伸びる吉原商店街の西寄りの場所に位置し、近くには吉原中央駅というバスターミナルがあります。そのバスターミナルからアドニスさんへは徒歩約1~2分という距離です。

napo (7).jpeg ▲富士急静岡バス 吉原中央駅

■公共交通機関を使う場合

①東海道線JR富士駅または吉原駅から吉原中央駅行きのバスを利用

②東海道線JR吉原駅から岳南鉄道に乗り換え、吉原本町駅下車
 吉原商店街アーケードの東端からアドニスさんを目指して
 西方向(厳密にいうと西北西)に歩いていく方法(徒歩約8分ほど)

この2つが考えられます。電車やバスの接続や本数を事前に十分お確かめください。

■車で行く場合
遠方の方は、東名高速道路富士インターチェンジで降り、一般道で7分ほどで到着します。

店舗に駐車場はありません。近くに一般の有料駐車場がありました。

アドニスのオープン時間

アドニスさんは、11時開店です。 また、オープン日は週に4日のみなので、事前に定休日をご確認ください。

つけナポリタンを注文をする時に、皆様の心に留めておいていただきたいことがあります。

つけナポリタンは、11時に注文はできますが、11時半からの提供です。 麺茹でに6分半かかるうえ、一度に6食分しか茹でられないため、注文が集中すると1時間以上待つことになります。

もしつけナポリタンを目的に来店される方は、心と時間にゆとりをもって訪問することをおすすめします。

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アドニスにはどんなメニューがあるの?

看板メニューのつけナポリタンの他に、カレーやドリア、コーヒー、ケーキ、クリームソーダなど、喫茶店でおなじみのメニューが勢ぞろいです。

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1,000円前後のメニュー!お財布にやさしい価格でありがたいです。様々なメニューがある中で特に心惹かれたのは、こちらのクリームソーダ。

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こちらのクリームソーダは、アドニスさんの向かいにある内藤金物店さんのリクエストから始まった企画です。ブルー(オレンジ)、グリーン(メロン)、レッド(ストロベリー)3種類のクリームソーダは、かわいらしいアデリアレトロのグラスで提供されます。 グラスの柄はランダムで提供されるので、どの柄で出てくるのかはお楽しみとのことでした♪

世界でここにしかない絶品グルメ!アドニスの「富士つけナポリタン」

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つけナポリタンの極意を記したカードが添えられています。こちらにしたがって食べることにいたします。

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こちらがスープです。まずはトマトソース部分につけました。爽やかなトマトの風味と濃厚な旨味のスープ。もっちりした麺によく合います。つけ麺スタイルなので、スープの味は濃いめで旨味と塩味が効いています。

続いてチーズを絡めて食べてみると、コクとまろやかさが増します。スープとの相性も抜群!どんどん食が進みます。

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麺は太めで、パスタのようでもあり、つけ麺のようでもあり独特な感じです。桜えびがご当地グルメらしさを演出しています。

この麺は、富士市の寿ぎ山(すぎやま)製麺さんが作っている特製の麺とのこと。

どんな粉で作られているか、店主の市川氏にこっそりおうかがいしましたが、秘伝の配合とのことで麺の正体は謎のベールに包まれたまま…。どのようなこだわりの粉が使われているかを想像しながらいただくことにしました。

桜えびをエクストラバージンオイルで炒めることで香味油となり、茹で上げた麺に和えてまとわせることで風味豊かな仕上がりに。その麺を、スープにたっぷりつけていただきます。

スープの具は味玉、蒸し鶏、青梗菜、マッシュルーム、チーズなどが入って充実しており、蒸し鶏は厚切りでたっぷり贅沢。しっとりかつ適度な弾力があります。

マッシュルームの旨味と食感。瑞々しい青梗菜。 そして、不思議な存在感を放っていたのはうっすらピンク色の味玉。黄身はトロッとしています。味は醤油ベースなのに普通の味玉とどこか違う…。おいしさの奥に何の味が隠れているのか分析不能...。

市川氏にお尋ねすると、想像の斜め上を行くお答えをいただきました。

「その正体はビーツです!」

へぇぇ!?味玉にビーツ!!!味玉を作る際にビーツを使用しているので、卵の白身がうっすらピンク色になるとのこと。使用するビーツによってピンク色の濃さが変わるそうです。アドニスさんのリピーターになると、味玉の違いも楽しむことができるようです。

麺を半分食べたところで、後半は麺にレモンを搾っていただきます。

レモンによって増した酸味がとても合います。劇的な味変!とても爽やかです。

麺をいただいた後は、スープを楽しむための「〆のごはん(別途有料)」や「スープ割り」の用意もあり、最後までスープを味わえます。

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スープ割りのスープは無料でいただけます。 かつお、昆布、塩で構成された、シンプルゆえにおいしさが際立つスープ。 これをトマトスープに加え、好みの濃さにしていただきます。

スープが最後までおいしい...!

なぜなら麺にからめた桜えびの香りと旨味がトマトスープに加わり、最終的においしい部分が凝縮されているからです。

満腹でなければ〆ご飯をスープに入れて楽しみたかった...!

そうなのです。麺のみでお腹いっぱいになり、大満足なのです。

(〆のご飯の他にバケットもあります。具材は追加トッピングも出来るようになっていますが、このように通常でもかなりのボリュームです。)

「つけナポリタンは『起承転結』のストーリーがある食べ物なんです。」と市川氏。

【起】爽やかで旨味とコクのあるトマトスープに始まり
【承】麺のもちもち感とチーズの濃厚さ、様々な具材の楽しさが加わる。
   瑞々しい青梗菜は味をリセットする役目もあるのです。
【転】レモンで劇的な味の変化を楽しみ
【結】おいしさが凝縮されたトマトスープを和風スープで割り、〆のご飯等と共にいただく。

「お腹いっぱい~♪おいしかった!!!」と笑みが溢れるシーンが結びなのです。

...なんとドラマティックな展開! 富士つけナポリタンがこんなに奥深いものだったことを初めて知りました。

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アドニス店主 市川氏の食に対する思い

店主の市川氏はこのようなお話をしてくださいました。

「今の自分があるのは、今まで出会った、たくさんの方々のおかげ。年を重ねるにつれて、何かの形で御恩返しができたらと思うようになってきました。こうして自分が立っている場所で、何か貢献できるとするならばそれは『食』ではないかと。

お腹いっぱい!おいしかった!って言ってもらうと嬉しいです。

お腹がいっぱいになると、人間って喜びで満たされるじゃないですか。おいしいって思ってもらって、笑顔になってもらって。

食べ物を通して、世の中を良くしていこうって思っています!」

朝から市川氏お一人でつけナポリタンの仕込みを行うのは、なかなか大変な作業と推察します。お客様の心とお腹を満たしたいという情熱が市川氏の原動力となっているのです。

市川氏のつけナポリタンは、「魂を込めて作ったつけナポリタン」。

CoffeeShopアドニスさんの富士つけナポリタンは、町おこしやご当地名物という一端を担いながらも、もっと奥の深い、市川氏の人生哲学の結晶ともいえる一品でした。

アドニスさんの富士つけナポリタンは、店内飲食だけでなく、テイクアウトも可能です。自宅でもアドニスさんの味を楽しめますよ。

■CoffeeShopアドニス
所在地:〒417-0051 静岡県富士市吉原2丁目3-16
電話番号:0545-52-0557
営業時間:11:00~21:00(売切れ次第終了)  
定休日:火~木曜
専用駐車場:なし
アクセス:岳南鉄道線「吉原本町」駅から徒歩8分ほど
吉原本町駅から565m
車で訪問する際は、東名高速道路富士インターチェンジで降り、一般道で7分ほど



※この記事は2025年5月の情報を基に作成しています。

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この記事を書いた人
山ちゃん
山ちゃん
神社仏閣巡りが趣味です。静岡県中部を中心に、ゆるい散歩をしています。静岡の素敵なものや、おいしいものを探すのが大好きです。
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