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トンカツやコロッケに欠かせない存在のソースですが、みなさんはソースにどのくらいこだわりを持っていますか?

今回訪れたのは、浜松にある「トリイソース」を手がける鳥居食品株式会社。創業は大正13年、国産野菜を使用し木桶熟成にこだわり、ほぼ手作りのソースづくりをしています。

ソースの調味料としての奥深さや、工場見学をして「トリイソースと普通のソースの作り方の違い」などをはじめて知りました。

工場見学だけでなく、直売所を訪れたり、色々なソースを試してみました! 特に、トリイソースのソース別の味の違いについては気になる方もいると思うので、ぜひ参考にしてください。

トリイソースへいざ潜入

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浜松駅から車で約10分。静岡県浜松市中区相生町にあるトリイソースの工場にやってきました。 ロゴマークである打出の小槌も見えますね。

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隣りに鳥居があったので、トリイソースと関係あるのか鳥居食品の従業員の方に聞いてみましたが、こちらは偶然だとか。なんだかご縁を感じますね。

このあたり一帯に、トリイソースの工場だけでなく、直売所やオフィス、自動販売機があります。

今回は、トリイソースの工場見学に行き、直売所ではいくつかおすすめのソースを鳥居食品の西田さんに紹介してもらいました。

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工場見学で見るトリイソースと普通のソースの作り方の違い

トリイソースでは、工場見学を団体向け(※)に開催しているのですが、今回筆者も工場見学をさせていただきました。

※個人向けの工場見学はオンラインショップのメルマガにてご案内。
▶トリイソースの工場見学についてはこちら

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直売所の店内に掲げられていたパネルを見るだけで、普通のソースとトリイソースとの違いがわかります。材料や一工程ずつへのこだわりがこの違いを生んでいるのですが、そのこだわりを紹介していきたいと思います。

総工程時間が、普通のソースは2時間なのに対し、トリイソースはなんと2,341時間!本当に手間ひまかけて作られていることがよくわかります。

こだわり1:材料に使う野菜はペーストや粉末ではなく"生の野菜"

一般的なソースは、野菜の品質が安定していてソースが作りやすい野菜のペーストやパウダーを使うことが多いのですが、トリイソースでは野菜の風味を損なうことがないよう生野菜をまるごと使っているそう。

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常に野菜を安定して入手することは難しいため、野菜自体は契約農家さんから大量に仕入れ冷凍し保管しておくことで、常にまるごとの野菜を工場で確保しているとのことでした。

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工場では釜いっぱいに、まるごとの野菜をぐつぐつと煮ていました。丸ごとの玉ねぎの場合と刻んだ場合とでは、ソースの甘さが変わってくるそうです。こちらの大きな釜で煮た野菜を、次は石臼を内蔵した機械ですり潰します。それによって通常ならば捨てられていたであろう野菜の皮や種の部分も余すことなくソースの原料として使えるのだとか。

後で実食した際に「野菜の甘さをしっかりと感じることができるソースだな」と感じた理由はここにあったのだと実感しました!

こだわり2:1か月かける木桶熟成

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そして、なんといってもトリイソースのこだわりは木桶熟成。

ソースの代表でありトリイソースの看板商品であるウスターソースは木桶熟成です。そのまま瓶詰めすれば効率がよいですしパンチのきいた味のソースになりますが、時間をかけて木桶熟成をさせることでまろやかな味になっていきます。なお、長年培った経験により、トリイソースでは1か月ほどの熟成をしているそう。

ものすごいスピードで行われる「瓶詰め作業」

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熟成したソースをそのまま使用したり、中濃ソースなど更に手を加えて瓶詰めしています。瓶に詰める作業とフタをする作業を二人体制でものすごいスピードで進めていらっしゃいました。

ここで充填作業が一気に行われていました。

職人技の「パッケージを付ける作業」

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瓶に詰められたソースにパッケージを取り付けていく作業です。
1つずつではなく、パッケージを並べて上から一気に瓶をはめていきます。

とてもスピ―ド感がありこれはもはや職人技だと感じました。

玉ねぎの皮むき

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玉ねぎの皮むきの工程にもお邪魔しました。 玉ねぎの皮むき専用の機械を使いものすごい速さで皮むきを進めていく作業と、機械では取り切れなかった皮を剥いでいく作業の二人体制でした。

玉ねぎを切ると涙が出てくる現象があると思いますが、この場所に来るといわゆるその状態と同じになり涙がでてきました。 作業されているスタッフの方たちはもう慣れているのか黙々と作業をされていました。本当に尊敬してしまいます。

今回工場見学を終えて驚いたのは、鳥居食品の従業員の方はなんとパートなどの方なども含めて19名なのだとか。
ほぼ手作りなのにもかかわらず、この人数のスタッフの方で運営されているとは、本当に少数精鋭なんだなと思いました。

こだわり3:自家製醸造酢で時間をかける

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ソースにとって実はとっても重要なもとになるお酢。
一般的なソースによく使われる速醸法で作られたピュアなお酢は、発酵時間が1~2日間でとても早く作ることができます。ただしツンとする酸っぱい酢になるのだとか。

一方、トリイソースは昔ながらの静置発酵法で自然にまかせて発酵させるのでなんと発酵時間は一か月以上もかかるそう。

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発酵したお酢はさらに大きなタンクで1か月寝かせることでやっと自家製醸造酢のできあがり!時間はかかりますが、寝かせることでお酢の酸味が落ち着き、まろやかなお酢になります。

トリイソースの、ツンとしないまろやかなソースの理由はお酢の作り方にあったようです。

こだわり4:原形香辛料を使う

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ソースにとってお酢と同様に重要な味の決め手となる香辛料。

一般的なソースでは、粉砕してパウダー状にしたものを使用し効率よくソースに溶け込むようにするようですが、トリイソースでは香辛料は原形(もしくは粗挽き)で使用しているそう。

香辛料の香りをソースに溶け込ませる時、パウダー状だと香辛料にある苦みもソースに溶け込んでしまうため、トリイソースでは原形のまま袋に入れてソースに香りを移していきます。その分、パウダー状のものを直接混ぜるより香辛料の量が必要になってしまうのですが、ここは味と香りへのこだわりを持ったトリイソースならではの工夫ですね。

実際に気になるソースをかけてみた!

今回、トリイソースの西田さんにおすすめとして紹介してもらったソースなど、ちょっと気になるソースを実食してみました。

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それでは、左から順番に試していきたいと思います! まずは一番気になっていたハバネロソースからいざ実食です。

トリイソース史上、最辛「ハバネロソース」はクセになるかも

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  • ハバネロソース 200ml(税込1,230円)

ハバネロソースが辛いのはもちろん知っているのですが、どのくらい辛いのか?味を感じられるのか?と恐る恐る実食!(筆者は辛さに対する適応力はいたって普通)

ケッチャップが少しかかっていますが、カニクリームコロッケに、追い「ハバネロソース」してみました。

少しかけただけですが、確かに辛い!! ただし、舌のヒリヒリ感が続く嫌な辛さではなく、なんか心地いい。
最初は辛くないのにあとを引くというあの苦手な辛さではなく、口に入れたら辛いことは辛いのですが、後味が比較的まろやか?な印象。

なぜなのか……。 静岡県工業技術研究所の支援を受けて培養した海洋深層乳酸株(IS-117)で乳酸発酵させたこのハバネロソースは激辛は激辛なんですが、乳酸発酵したまろやかさも持ち合わせていたから。

かなりクセになる辛さでした。でも!お子様向けではありません!

洋食屋さんの高級オムライスになる!?「オムライスをおいしくするソース」

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  • オムライスをおいしくするソース 200ml(税込530円)

つづいて「オムライスをおいしくするソース」です。
オムライスにはケチャップが王道ですが、なぜかあえてオムライス専用のオムライスにかけるソース。 しかも、オムライスをおいしくするというすごいネーミング。

ケチャップの酸っぱい味が苦手な方におすすめだそうですが、私はケチャップも好きなのであえて必要?と思いましたが、実際のところどうなのでしょう。

一口食べて、「私の知っているオムライスではなく、高級なオムライスの味に!!!」想像以上の味に感動しました。
なんといえばいいのか、家庭で食べるオムライスが洋食屋さんなどの高級な味になったとでも言えばよいでしょうか。

ソースは野菜の味がしてとってもマイルド。オムライスだけでなく他にも試してみたくなり、先ほどハバネロソースをかけたカニクリームコロッケにもオムライスをおいしくするソースをかけてみましたが、やはり高級な洋食屋さんの味になりました。

子どもがいる家庭におすすめの「カレー専用スパイスソース」

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  • カレー専用スパイスソース 130ml(税込560円)

カレーの辛さレベルを上げられるソース。
子ども用に甘いカレーを作ったけれど大人は辛さが欲しい!という時にぴったりです。 今回甘いカレーにかけてみましたが、確かに辛さレベルが上がります。しかも元のカレーの味が、消されることなく逆にうまさがアップしているような。

こちらも国産ハバネロを使用しているのですが、カレー専用とだけあって、カレーの味を邪魔せず辛さを感じることができます。 ちなみに、ハバネロソースもかけてみたところ、辛さレベルは上がりますが、専用ソースのほうがカレーに馴染んで一体感がでていました。

もう普通のソースに戻れないかも…感動級の「中濃ソース」

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  • 中濃ソース 200ml(税込530円)
  • 中濃ソース 5ml×20包(税込510円)

「中濃ソース」には、瓶詰めのものとお弁当に便利な小分けタイプがあります。

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木桶熟成したウスターソースをベースにした甘口のソースです。正統派ソースらしくコロッケや串カツにかけてみましたが、さすがトリイソースの看板商品。なんともまろやかで野菜の味がする奥深い味わいでした。
このソースを一度使ってしまうと、これまで使っていたソースに戻れないかも……。
特に酸っぱいソースや香辛料の強いソースが苦手な方にぜひおすすめしたいソースですね。

トリイソースはどこで買えるの?

直売所がおすすめ

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今回訪れたトリイソースの工場の隣りにはトリイソースの直売所があります。

中に入ってみると、トリイソースの全商品のほか、業務用のソースが置かれていました。

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その他にも、「ハバネロ入りカスタムメイドソースコーナー」や「量り売りソースコーナー」も。

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量り売りソースコーナーは、持参した容器にソースを入れてもらえるもので、少しお得に購入することができますよ。

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トリイソースの全商品、季節商品や限定商品、色々な味を試してみたい方は直売所がおすすめです。

遠方だけど買いたい方には通販

ただ、やはり浜松の方以外は通販がおすすめ。トリイソースのオンラインショップから業務用以外のほぼすべての商品を購入できますよ。 トリイソースのオンラインショップはこちら

トリイソースのお取扱店は?

トリイソースのお取扱店は、静岡県内や浜松市内だと、遠鉄ストア、JAとぴあ浜松、マックスバリュなど。
東京だと、AKOMEYA TOKYOなどで扱っているようです。

話題のコラボ商品!人気の「ソース味付けうずらたまご」や「焼きそば」とは?

ソースだけでなくトリイソースの商品のなかには他の静岡県内の会社とのコラボ商品があるんです。

まずは「ソース味付けうずらたまご」。カネセイ食品さんとのコラボ商品でウスターソースで味付けしたうずら加工品です。
一個ずつ包装されているのでお弁当につけてもよし。お酒のおつまみ(特にハイボールに合いそう)によさそうです。

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もうひとつ、トリイソースでも販売している「焼きそばセット」は公式通販のほうで品切れ中なことも多い人気商品。

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トリイソースの「焼そばソース」と金子食品工業所さんの乾麺の詰め合わせです。
ソースも乾麺もこだわりの一品。こちらもぜひ食べてみたい商品です。

一度かけたらもう普通のソースに戻れないかもしれない「トリイソース」

今回の工場見学を通して、トリイソースのソースづくりへの並々ならぬこだわりを肌で感じ、美味しいソースはこんなにも手をかけて作るものなのだと初めて知りました。

そして、これまで普通にかけていたソースですが、ソースの本当の美味しさを知ってしまったからには、もう今までのソースには戻れないかも…というソースマニアになった気分です。

トリイソースのソースが気になる方は、直売所かトリイソースのオンラインショップからぜひ試してみてくださいね。


■トリイソース直売所
住所:静岡県浜松市中央区相生町20-8
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日曜、年末年始、ゴールデンウィーク、夏季休暇、冬季休暇
電話番号:053-461-1575
アクセス:JR浜松駅から遠鉄バス8番乗り場乗車、東部協働センターバス停下車、徒歩3分、またはJR浜松駅から徒歩20分
駐車場:有
URL:https://www.torii-sauce.jp/
レシピサイト:https://www.torii-sauce.jp/recipe/
Instagram:https://www.instagram.com/torii_sauce/

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この記事を書いた人
くふうロコしずおか編集部
くふうロコしずおか編集部
地元をもっと楽しく便利に!地元民コミュニティ発、どこよりも"生活密着型"をめざす情報メディア。静岡のグルメ・人気ショップ・イベント・お出かけなど子育てに役立つ情報中心にお届けします。
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