ケンミンSHOW騒然!知らないとヤバい【仙台弁11選】え、方言?標準語と思ってた「地元あるある」「あの"番組名"も"ヒロインの台詞"も」

こんにちは、「くふうロコ仙台」編集部です。
仙台を訪れた際に「おばんです」という挨拶を聞いたことはありますか?
「こんばんは」と同じ意味ですが、初めて耳にすると、少し不思議に感じるかもしれませんね。
この言葉は、仙台や東北地方で使われる方言の一つです。
仙台では日常的に使われており、夕方の情報番組のタイトルになるほど定着しています。
この記事では、「おばんです」という言葉の意味や、仙台でよく使われる方言などについてご紹介します!
「おばんです」とは?親しみやすく柔らかい「こんばんは」
「おばんです」は、「こんばんは」を意味する方言です。
「おばん」とは、日暮れから夜までの時間帯を表す「晩」のこと。
標準語に言い換えるなら「夜になりましたね」という意味の挨拶になります。
「おばん(お晩)」という言葉に、丁寧語の「です」が付いてできた言葉なので、親しい人同士だけでなく、初対面の人への挨拶としても気軽に使うことができます。
より丁寧な「おばんでございます」という表現もあり、目上の人や大事なお客様に敬意を表したいときは、こちらを使うとよいでしょう。
ご年輩の方が使う「おばんでござりす」も、「ござりす」=「ございます」という意味なので、とても丁寧な言い方です。
ちなみに、朝の挨拶は「おはようござりす」と言います。
どこで使われている?「おばんです」が根付く地域
「おばんです」という挨拶は、宮城をはじめとする東北地方全域、さらには北海道や新潟の一部地域でも使われています。
地域によって、少しずつバリエーションがあるのも面白いところです。
たとえば、岩手や宮城の県北では「おばんでがす」。
福島や北関東では「おばんかたです」という言い方があるそうです。
また、北海道や山形では「おばんでした」と、過去形にする場合もあるとのこと。
東北のみならず、北海道や北関東でも使われているのは意外ですね!
仙台市民の「おばんです」の使い方&会話例|世代で変わる挨拶スタイル
仙台弁は、若い世代の間ではあまり使われなくなっていますが、町内の集まりなどでご年輩の方と会ったときに、「おばんです」と挨拶されることが多いです。
ここで「こんばんは」と挨拶を返しても会話は成立しますが、「おばんです」と挨拶したほうが、打ちとけやすい雰囲気になります。
SNS上には、久しぶりに帰省した際に、祖父母から「おばんです」と声をかけられて、暖かくて懐かしい気持ちになった、という人の声が投稿されていました。
普段はあまり意識しませんが、お盆などで帰省した際に仙台弁を聞くと、地元に帰ってきたんだと実感する方が多いようですね。
メディアやSNSでも登場!「おばんです」の楽しい広がり
「おばんです」は、夕方の挨拶だけでなく、地元テレビ番組のタイトルにも使われています。
たとえば、宮城県民にはおなじみの夕方の情報番組「OH!バンデス(ミヤギテレビ)」では、司会のさとう宗幸さんが「おばんです!」と挨拶するところから番組が始まります。
山形放送などの東北のテレビ局と中継をつないだときは、お互いに「おばんです」と挨拶を交わすのが恒例となっています。
ほかにも、岩手県には「おばんですいわて(NHK盛岡)」という番組もあるそうです。
有名人では、仙台市出身の元「モーニング娘。」石田亜佑美さんは、ブログやSNSで「おばんですっ」と挨拶しているようです。
地元を大切にする気持ちが伝わってきて、なんだか嬉しい気持ちになりますね!
もっと知りたい!仙台で使われる方言集
ここからは、「おばんです」だけじゃない!
地元民には身近な、県外の方にもぜひ覚えていただきたい、主な仙台弁10選をご紹介します。
〜だっちゃ
「~だっちゃ」は、「~だよ」という意味の仙台弁です。
たとえば、宮城県のお米の銘柄を尋ねたときに、「"ひとめぼれ"だっちゃ」と言われたら「"ひとめぼれ"だよ」という意味になります。
人気漫画「うる星やつら」のヒロインであるラムちゃんが、語尾に「~だっちゃ」をつけることから、仙台弁といえば「だっちゃ」のイメージを持っている人も多いかもしれませんね。
ラムちゃんが「~だっちゃ」と言うのは、漫画家の高橋留美子さんが、作家の井上ひさしさんの小説を読んだ際に、登場人物たちが話す仙台弁の響きが「かわいい」と思ったことがきっかけなのだそうです。
だから
仙台弁の「だから」には、「そうだよね」という同意や相槌の意味があります。
たとえば、仙台七夕まつりを見に行った人から「混雑してて大変だった」と言われたときに、そうなんだよね、という相槌の意味を込めて「だからー」と使います。
若干、語尾を伸ばすのがポイントです。
標準語の「だから」と違い、その後に続く言葉はありません。
県外の人との会話で使うと、相手が次の言葉を待って「(だから、…え、なに?)」のような、"変な間"ができてしまうことがよくあります(仙台人あるある)。
いきなり・いぎなり
仙台弁の「いきなり」は、「とても」や「すごく」という意味で使われます。
実際に使うときは「いぎなり」や「いぎなし」と濁ることが多いです。
標準語の「いきなり」は、「突然」という意味ですが、もちろん仙台でも標準語の「いきなり」を使います。
「昨日、母親がいきなり(突然)部屋に入ってきて、いぎなり(すごく)驚いた」
というように、会話の中に、標準語と仙台弁の「いきなり」が自然と混じることも。
いずい
「いずい」は、しっくりこないときや、違和感があるときに使う仙台弁です。
これは、地元民でもうまく説明するのが難しい言葉と言われています。
仙台在住歴30年超の編集スタッフ的には、新しく買った服を着たら、タグが首元でチクチクして落ち着かないときに「…いずい」と感じます。
身につけているものがフィットしなくて、体に違和感や不快感があるときに使うことが多いです。
おだず
「おだず」は、「ふざける」という意味です。
仙台では、子どもがふざけていたずらをしていると、両親や学校の先生に「おだずな(ふざけるな)!」と怒られます。
ちなみに、宮城県大崎市には「オダズナー」というご当地ヒーローがいて、世界征服を企む「ホデナス将軍」と日夜戦いを繰り広げています。
「ほでなす」には、「愚か者」や「ろくでなし」という意味があり、悪事を働く将軍たちに向かって、オダズナーが
「おめぇだづ! おだずなよ!(お前たち! ふざけるなよ!)」
と叫ぶのが決め台詞となっています。
うるかす
「うるかす」は、「水に漬ける・浸す」という意味の仙台弁です。
水に濡らして潤わせるだけでなく、ふやかす、というニュアンスもあります。
この言葉も、標準語と思っている仙台人が多く、県外の人に使って「"うるかす"が通じねがった(通じなかった)…」という悲劇がよく起こるのだとか。
「汚れが落ちるように、お皿をうるかす」、「お米を研いで、うるかしておく」というような形で使います。
けさい
「けさい」は、「ください」という意味の仙台弁です。
宮城県では、地域おこしのイベントが開かれる際に
「イベントさ来てけさいん!(イベントに来てくださいね)」
というフレーズが、よく使われます。
「けろ」は、もう少し砕けた言い方で、「おやつけろ」は「おやつちょうだい」という意味になります。
ジャス
「ジャス」は、ジャージや、学校の運動着を意味する仙台弁です。
仙台の小・中学校が配布する、運動会やマラソン大会の案内には、「当日はジャス着用」と書かれていることがあります。
一説によると、「ジャス」の起源は、関東の大学ラグビーの選手たちがジャージのことを「ジャッシー」と呼んでいたことにつながるそうです。
その呼び方が、仙台の学生に伝わった際に、「ジャッシー」の「シ」が訛って「ジャス」という言葉になったのだとか。
若い世代ではあまり使われなくなっていますが、体育の先生は「ジャス」の使用率が高い印象があります。
大学ラグビーの選手たちから広まった言葉なので、大学でスポーツをやっていた先生たちにとって、親しみのある言葉なのかもしれません。
ジョイント
宮城県の北部では、文房具の「ステープラー」のことを「ジョイント」と呼びます。
学校や職場で「これジョイントして」と言われることがありますが、配られたプリントや書類などをステープラーで綴じて、という意味です。
人気テレビ番組の「秘密のケンミンショー」によると、宮城県北部の文具店では、「ジョイント」という商品名のステープラーが、実際に販売されていたそうです。
編集スタッフは県北の出身ではないのですが、中学の先生が県北出身者(?)だったためか、
「今日配ったプリントは、復習しやすいように、まとめてジョイントしといて」
と言われたことがあります。
一般的に「ジョイント」というと、複数のバンドが参加して演奏する音楽用語のイメージが強いのでは?
県外から来た人は「何とジョイントさせられるの!?」と困惑してしまうかもしれませんね。
~っこ
仙台弁では、可愛いものや小さいものに「~っこ」が付けられます。
人なら、男の子を「やろっこ」、女の子を「むすめっこ」と呼びます。
人以外でも、犬なら「いぬっこ」、猫なら「ねごっこ」、鳥なら「とりっこ」という具合です。
もともとは子犬、子猫、小鳥を指す言葉ですが、成犬であっても「ワンちゃん」というニュアンスで、
「あら、あんだいのいぬっこ、めんこいごだ!(あら、お宅のワンちゃんは可愛いですね)」
と言われたりします。
物についても、飴玉を「あめっこ」、道端に落ちている棒きれを「ぼっこ」または「ぼうっこ」と呼ぶこともあります。
県外も方にもちょこっとだけ、仙台弁の世界が伝わったでしょうか?
宮城県に遊びに来た際は、ぜひ、方言も楽しんてみてくださいね。
※この記事は2025年9月時点での情報を基に作成しています。
